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東芝 倒産不正会計発覚後の資産売却で約1兆円を念出(2)


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09年3月以降、決算で水増ししていた利益の累計額は、税引き利益で2248億円、最終利益で1552億円に上った。映像事業、インフラ事業、半導体事業、パソコン事業、という4つの分野で不正な手口を用いて、利益をかさ上げしていたのが発覚したのです。


資金売却1兆円、リストラ3万人、2015年に不正会計が発覚して以降、東芝が推し進めてきた再建策の一端です。田中久雄社長の引責辞任を受け、指揮を執ったのが室町正志社長です。早速行ったのが再建に向けた事業撤退を含む、大規模なリストラでした。エリート社員を標榜していた東芝社員は、天国から地獄に突き落とされました。





東芝倒産 不正会計の問題で監査法人の責任は?


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東芝倒産の起爆剤となった不正会計の責任問題に、監査法人を指摘する声もあるは確かです。監査法人というのは、企業の決算を第三者的に、チェックすることにあるものです。東芝監査法人は、そうした役割を果たしていたのでしょうか。それを的確に果たしていれば、不正会計は、未然に防げたはずと、素人目には思うのですが。


そうです。それが上手く機能していれば新たに「第三者委員会」なるものを組織する必要性はないと言えるのですが。結果的に、東芝を担当した新日本監査法人は、現実に東芝の不正会計を防ぐことはできませんでした。


その監査に問題点はなかったのだろうか、監査法人を検証する必要がありそうです。ところが新たに設置された「第三者委員会」では、報告書を見る限りでは、監査法人の責任問題については1行も触れてはいません。こうしたところにも問題がありそうです。


隠された子会社の減損


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東芝倒産に大いに影響を与えた、米原子力事業ウエスチングハウス社の減損については、決算発表の会見でも皆の注目を集めていました。


その会見で、東芝は、9月末時点では、5156億円の資産を計上し、この内「のれん」が3441億円であることを明確にしました。この「のれん」徒いうのはウエスチングハウス社の買収額と純資産の差額と言えましょう。


本来の決算では、純資産だけを計上すべきですが、ウエスチングハウス社が、この先どれくらい稼げるか、という将来の収益性を算定し「のれん」として会計処理をしています。これは会計処理の決まり事として許されていることですが、ウエスチングハウス社が、利益をまったく上げられなかったら3441億円は損失として、利益から差し引かなければなりません。


決算会見では、なんと、このような巨額の減損があったことを公表していませんでした。


東芝倒産 に拍車をかけたのは、東証の開示義務違反


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 ウエスチングハウス単体の減損のニュースは、瞬く間に大きく知れ渡りました。東芝は、ウエスチングハウス社の損失計上を、2年半も公表しませんでした。こうした東芝の情報開示姿勢も大きな問題だと言えましょう。


エスチングハウス社の減損は、適時開示基準に該当しており、適切に開示すべきでありました。この適時開示基準とは、東京証券取引所が定めた情報開示のルールの事です。適時開示基準を破った場合、上場廃止という判断になることもあります。


しかし東芝は、9月に不正会計問題で、「特設注意市場銘柄」に指定されていますので、情報開示の一件だけで廃止を言い渡されることはありません。


しかし、投資家の判断はどうでしょうか? このように巨額の損失を隠すような行為を今後も続けていくならば、投資家の判断は、マイナスとなることは明らかです。


東証が「管理体制が改善されていない」と判断しますと、上場禁止となることもあり得ます。逆に「管理体制が確立された」と判断すれば、通常の取引銘柄に戻ることもできます。


史上最悪の営業赤字


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 東芝の16年3月期決算は、2016年5月12日に公表されました。この日の東芝の決算発表は、特別大きなニュースがありました。営業損益の赤字額が、7191億円となり、日本の企業では過去最大の連結営業赤字となったのです。


これは主力事業の半導体事業部門の価格下落や、原子力事業の減損、1万4000人以上の人員生理等で、事業再編といったリストラに費用がかかったことなどが挙げられます。


売上高は、前年比7%減の5兆6701億円で3年ぶりに6兆円を割り込みました。リーマン・ショック直前の08年3月期に東芝は、過去最高の売上高7兆2000億円を挙げていました。それと比較して1兆5000億円減少したのです。最終損益は、832億円の赤字でした。つまり、東芝141年の歴史の中で、最悪の最終赤字を計上したのです。


東芝倒産への道はいよいよ現実のものとなっていくのです。企業の決算発表は、最終的と公式の数字として一般的には受け止められていますが、企業会計の世界では、有価証券報告書が最終的で、公式の数字として取り扱われています。  


そうした意味での東芝の幾度かおこなった決算訂正は、会計のルール上から言えば、そう問題視することはありません。ただし不正会計の場合は、その後の会計処理の混乱は、大いに問題と言えそうです。



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