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結局東芝は何をしたのか?過去事例にみる倒産と再生

東芝は何をしたのか。


東芝の一連の粉飾、そしてその影響が連日ニュースになっている。結局のところ東芝は一体何をして、現在何が起きているのか。そしてどれほど倒産の可能性はあるのか。さらに仮に倒産状態となっても復活はありうるのか。類似する粉飾事例をもとにみていきたい。




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東芝の不正の全体像


まずは、2015年7月に提出された第三者委員会の報告書からみていく。
【画像(第三者委員会報告の損失額の表)】


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上記は東芝の第三者委員会報告書で明らかになった損失額の合計である。不正の手口は割と古典的なものである。


インフラ事業での工事進行基準(477億)。工事進行基準は売上に「見積り」の要素が入るため不正の温床となりやすい。工事などについては、数年単位で完成するものが多い。それを完成した年の売上として何億も計上し、作業を行っている間の数年間は何も売上がたたないというのは各年度の比較から見てもおかしいというところから、この基準は使われている。例えば、100の売上について、原価を80と見積もる。1年目40、2年目60、3年目80と原価がかかった場合は、50、75、100と売上をたてていく。なお、途中でコスト増となった場合にはその都度見積りなおしたり、見積り原価が売上を超える場合には超えた部分をロスコンとして原価計上したりする。不正の方法は原価を少なく見積ることである。例えば、先ほどの例で50と見積れば、1年目に80の売上をたてることができる。


映像事業、パソコン事業の押し込み販売による部品取引(592億)東芝子会社への有償支給を利用した、不適切な原価のマイナスである。


経費取引(88億)これも映像事業、パソコン事業で行われており、単純に言えば費用を少なくし、利益を出す方法である。これはいくつかの細かい手法を使っているため、詳細は割愛するが、チャレンジの名のもと、数字ありきでその数字を作りにいっている。


半導体在庫(360億)これは半導体部門の在庫の評価減を適切に計上していなかったことや、売上原価(つまり費用)に計上せず、資産として計上する金額を多くすることで、利益を出す方法である。


なお、東芝の粉飾について、スクープらしさを表すためか、東芝や第三者委員会は「不適切会計」と言っているが「粉飾」である、などと書いている文書もあるが、会計的には粉飾は用語としてはなく、用語としてあるのは「虚偽表示」である。誤りであろうと不正であろうと「虚偽表示」となり、それが決算書を見る人が投資などの判断を誤るほどのものであれば「不適切」となる。特にそこに意味も意図もない。


上記に加えて、東芝の子会社であるウエスチングハウスの減損(2,600億)が確定している。当初6,000億で買収した子会社の価値がなく、2,600億の減損をした上で、2016年12月の第三四半期報告書では、監査法人の意見が出ていないものの、6,200億円の追加での損失の可能性が記載されている。ウエスチングハウスは破産法の申請により倒産状態であるが、追加の損失がまだ算定しきれていない。


これを合算すると、第三者委員会報告書の1,500億、子会社の減損(確定)2600億、追加での損失の可能性6,200億と、1兆を超える。


報告書にもある通り、これら一連の会計処理は、東芝経営層からのプレッシャーによるものであり、東芝経営層の責任は今後も追求されるであろう。


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不正には2種類ある。東芝は?倒産の可能性があるのは?


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不正には大きく分けて2種類ある。1つは資産の流用であり、従業員が着服することが多い。もう1つは粉飾である。後者の方が経営者主導で組織ぐるみで行われることが多く、影響も大きい。過去にどのような粉飾があり、その会社はどうなったのか。


【画像(The pageよりhttps://thepage.jp/detail/20150725-00000004-wordleaf)】


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上記の表にもあるように、大半が上場廃止またはその後倒産となっている。経営破綻は倒産と同意であるが、倒産している企業も少なくない。まず記憶に新しいのがオリンパスである。こちらは会計基準変更による含み損計上を避けるために粉飾に及んだとされる。訂正報告書によれば1200億円の粉飾が行われている。当時の経営陣は有罪判決を受けたが、粉飾金額を修正した場合にも債務超過とはなっておらず、上場維持のまま現在に至っている。


日興コーディアル グループについても経営層の関与が薄いことや粉飾金額が少ないことから上場を維持している。


東芝については、そのどちらの条件も満たしているとは言えない。また、上場廃止にはなったものの、経営破綻、つまり倒産に至っていないのはカネボウライブドアである。カネボウバブル崩壊の影響により業績が悪化したことから粉飾を始めている。2005年に粉飾が明らかになり、上場廃止、表では上場廃止のみの記載であるが、2007年に事実上倒産している。粉飾金額は2000億。2004年の時点で3000億超の債務超過となっていた。


なお、ライブドアについては他の会社とは状況が異なり、粉飾金額が少ないにも関わらず上場廃止となり、元経営者は実刑判決を受けている。判決の内容について異論を述べるつもりはないが、これは、この事件だけではなく法の抜け穴を利用しようとする経営者に対する見せしめとしての意味もあったとされている。


東芝は、上場を維持するような要件に当てはまるのだろうか、また、倒産せずに会社を維持するような要件に当てはまるのであろうか。上場廃止や倒産を潜り抜けるには沢山の壁が立ちはだかっている。


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