『東京暮色』小津安二郎監督作品の中でも異彩を放つ

原節子有馬稲子笠智衆山田五十鈴・・・往年の名優揃いです!


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 今回は、おすすめクラシック映画の紹介ということで、小津安二郎監督作品の中でも異色を放つ『東京暮色』をご紹介します。1957年に公開になった作品です。内容をかなり突っ込んでご紹介していますので、あらすじなど詳細を知らないまま映画を観たいという人にはネタバレ注意です!


 この映画は、小津監督にとって、最後の白黒の作品だそうです。そして、何と言ってもあの大女優の山田五十鈴さんが出演した、ただ一つの小津安二郎監督作品だそうです。一度、山田五十鈴さんの姿をスクリーンで拝見すると、その迫力に圧倒されます。それくらいの大女優が出ていますので、もしかして年配の映画ファンの方々には、観ていて当然の作品なのかもしれませんね。


 とにかく、決して明るい内容の映画とは言えません。観た後に、暗い気持ちになってしまうでしょう。ですが、何年経っても、その記憶が薄らいでいかないというある意味、恐ろしい(笑)映画です。ですので、とにかく気分転換に気軽に明るい、楽しい映画が見たいという人には決しておすすめしませんので、ご了承くださいね。


とにかく暗い映画ですが、自分は有馬稲子さんがとても魅力的で可愛くて、鑑賞してよかったと思える作品の一つではあります。また、当時の名俳優、杉村春子さんも出演しており、絶妙の存在感を放っています。杉村さん見たさにこの映画を見るのもアリだと思います!(なぜか、杉村さんのアクの強い役柄はどの映画でも癖になってしまいます。ああいう方を、本物の名優と呼ぶのでしょう、きっと。)




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有馬稲子が、思わず感情移入してしまうほどの可愛さです・・・


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 写真にもありますが、有馬稲子さんが本当に可愛いです。少しネタバレになってしまいますので要注意ですが、有馬稲子さんが可愛い故に、話の展開の仕方に大きなショックを受ける観客が少なからず(いや、かなりの割合で)いらっしゃると思います。


映画の全編を通して、笑顔のシーンがないと思われますが、その儚げで危うい雰囲気が、いかにも昭和の女優という風情で、忘れられません。こういったピュアで、どこか儚げな女優というのは、なかなか現代では見られないように思いますが、いかがでしょうか?(筆者が、勉強不足なだけでしたら申し訳有りませんが・・・)とにかくとても可愛らしいです。


 話の展開が衝撃的であることは先にも書きましたが、いつも小津安二郎監督とともに脚本を書いていた野田高梧氏は、この映画の展開について最後まであまり納得していなかったようです。完全にネタバレになってしまいますが、ハッキリ言ってアンハッピーな終わり方です。胸糞が悪くなるような観客も多いと思いますし、野田高梧さんが反対した理由も理解できます。


その反対を押し切ってまでこの作品を作り上げた小津監督の作家性が色濃く反映されていると言ってもいいのかもしれません。悪く言えば、小津監督のある意味、本性と言いますか、女性観が出てしまっているのかもしれませんね・・・。異論、反論があるかと思いますが、筆者はそう思ってしまいました。


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これを機に、小津安二郎監督作品に触れてみるのもおすすめです。


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 今回ご紹介した『東京暮色』は、暗い作風だと先にも申し上げましたが、小津安二郎監督作品は他にも様々なものがあります。筆者自身も全てを見たわけではありませんが、『東京物語』や、『晩秋』など、その他、微細な人間心理を丁寧に、しかも美しく撮った名作が沢山あります。


小津監督のような作家性の強い、そして強い信念と、徹底した美意識を持った監督が、現代の日本にどれくらいいるのでしょうか・・・。残念ながら、小津監督や、同時代の黒澤明監督、そして世界の溝口健二監督などに並ぶ世界的な名匠が現代の日本映画界にはいません。


もちろん北野武監督や、カンヌ映画祭で受賞する日本人監督は現代の日本映画界にもいらっしゃいます。ですが、スピルバーグや、ジョージ・ルーカスのような海外の俳優が目標とし、現在でもその作品を敬愛し、手本とするような監督はなかなか少ないのではないかと思います。(自分の勉強不足でしたらすみません・・・。)


 昔は、テレビのない時代でしたので、映画文化にかける意気込みも相当なものがあったのだと思われます。撮影所もきちんと機能していましたし、時代的にも脚本の執筆に数ヶ月間、温泉宿に篭るようなユルさや気持ちの余裕があったのだと思われます。


失われたものを懐かしんでいるばかりでは、前に進めませんが、小津監督の作品の数々を見ていると、いつまで経っても古びない本当の映画の名作とは何か、と考えさせられます。最近の邦画は、似たような恋愛ものや、漫画原作ばかり・・といった状況に思えます。映画ファンとしては、現代にも小津監督のような名匠が登場してくれることを願いますが、現在のシステムではなかなか難しいのかもしれません。


まとめ


 有馬稲子さんはじめ、昭和の名女優が共演しており、とても見ごたえがあります。これに限らず、昔の日本映画には素晴らしいものが沢山あり、おすすめです。
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