キャロルを観て、LGBT(性的マイノリティ)について考えてみる


ルーニー・マーラと、ケイト・ブランシェットの名演が光る名作映画


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 今回は、2015年のアメリカ映画『キャロル』をご紹介します。突然ですが、皆さんの周りには、性的マイノリティーと呼ばれるLGBTレズビアン、ゲイ、バイセクシャルトランスジェンダー)のお友達やお知り合いは居ますか?残念ながら、筆者の周りには居ませんが、欧米諸国に滞在すると、こういった性的マイノリティの人に対する偏見は、日本に比べて少ないと感じます。(タイなどの東南アジアもかなりオープンですね・・・)


堂々と自らがLGBTであることを公言する人も多いです。でも、それは現代の話であって、この『キャロル』は1950年代のニューヨークの話です。当時は、レズビアンに対する社会の目はとても厳しいものがあったようです。昔のことですから、当然といえば当然ですよね・・・。


 日本では、最近でこそ東京都渋谷区で同性婚に相当するパートナーシップを認める条例が出されました。とても話題になりましたよね。ですが、日本ではまだまだ一般の人々の間で、ゲイやレズビアンといった人々への偏見が根強くあるのは間違いないと思います。例えば、一般的なサラリーマンが、ゲイであることを会社で告白したらどうなるのかや、家の近所にレズビアンカップルのファミリーが暮らしていたらどうなのか、などまだまだ日本ではあまり身近であるとは言えないと思います。




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『キャロル』の堂々とした生き方がかっこいい!マイノリティでも隠れない


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 さて、この映画でケイト・ブランシェット演じるセレブの奥様のキャロルが、ものすごく素敵です!堂々とした立ち居振る舞いで、上品で、洗練されており、大人の余裕を感じさせる気品に満ちています。


ルーニー・マーラ演じる女の子が「あの人、素敵!」と直感的に感じるのもうなづけます。ネタバレになりますが、二人がデパートで初めて出会う時点で、キャロルの方はすでに自らがレズビアンであることを知っています。(それは物語の中盤、キャロルと幼馴染の関係性のお話から見えてきますが・・・)一方で、ルーニー・マーラ演じる女の子の方は、そのことを知らずになんとなくボーイフレンドがいたりします。


 そんな二人の微妙な心の機微を丁寧に丁寧に描いた映画です。派手なアクションや、目新しい刺激に満ちただけで人間が描かれていないような大作ばかりに疲れてしまった大人な方におすすめの映画です!原作の小説とは、いくつかの変更がなされているようです。原作小説をあわせて読んでみるのもいいかもしれないですね。


 とにかく、二人の女優の迫真の演技が素晴らしいので、映画好きの方は見逃せない一作です。ケイト・ブラシェットは、ウディ・アレン監督の『ブルージャスミン』でも、その演技力の高さを見せつけていました。そちらでは、ゴールデングローブ賞の主演女優賞や、アカデミー賞の主演女優賞を受賞しました。


そんな実力派のケイトが見せる演技は、観客を引き込んで離しません。この人、プライベートでも本当にレズビアンなのでは?と思わせる演技力です。(実際には、ケイトは男性と結婚し、お子さんが3人いるそうですが・・・)相手役のルーニー・マーラの演技も負けてはいません。透明感があり、アーティストの卵としてどこか不安定な感じを醸し出す技は、なかなかのものです!この作品で、ルーニー・マーラは、カンヌ国際映画祭の主演女優賞を受賞しています。


 ちなみに、レズビアンカップルの恋愛を描いた作品ですので、性的なシーンも含まれますので、お子さんと一緒に見たいという方々や、そういうのは見ない!と固く心に決めている方は要注意です。


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女性の近代的自我を描いた作品としても見ごたえがあります。


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 ちょうどこの頃のアメリカは、女性が家の中にいて、家事だけをやっていればいいという時代が終わりを告げ、自分らしい生き方を女性たちが模索し始めた時代なのだと思います。


主人公の女性二人は、それぞれ専業主婦と、デパートの店員をしながら写真家を目指す女の子ですが、互いの存在を知るうちに徐々に自分らしさに目覚めていきます。キャロルは、仕事ばかりの夫のお飾りであることに耐えられなくなり、他の’女性’に走ったようにも見受けられます。根っこに男性不信があるのかな、などと推測してしまいます。


 一方で、写真家を目指すルーニー演じるテレーズの方は、自分では何も決められない性格でありながら、キャロルとの出会いで自分の意思を徐々に示すようになります。


 「女の子だからこうだ」といった周囲からの決めつけによって、その人の可能性を縮めてしまうことがないだろうか、テレーズの心の変化の仕方を見ていると、自分らしく生きることの大切さに思い至ります。

 

まとめ


 「女であることはなんぞや」、といった哲学的な問いまでも生んでしまうような素晴らしい映画です。しっとりした気分になりたい時におすすめです。
www.momochakei.com

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