読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

映画ファンには特におすすめ『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』

映画


赤狩りで、ハリウッドから追放されたダルトン・トランボの数奇な運命

f:id:mozzarellatan:20170317214056p:plain
 今回は、映画ファンなら必ず見ておきたい洋画『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』をご紹介します。脚本家として名高いダルトン・トランボは、その数奇な運命でも有名ですが、あの『ローマの休日』や『スパルタカス』『ジョニーは戦場へ行った』などの有名な映画作品を多数、世に送り出した希代の脚本家です。実在の人物ということで、映画化されるにあたり、全てが事実そのままというわけにはいかなかった部分もあるようです。(例えば、トランボは実際には数年間、家族でメキシコに身を隠していたそうですが、映画ではメキシコの場面は出てきません)
 とにかく、人気脚本家でありながら、そして二度のアカデミー賞に輝きながらも、直接その栄光を授かることもできず、強いものに対して毅然とした態度で臨み続けたトランボの人生に触れると、勇気が湧いてきます。映画ファンの方に限らずとも、ぜひ、おすすめしたい作品です。
 時は、第二次正解大戦後で冷戦下にあるアメリカ。共産主義思想への取り締まりが強化されます。非米活動委員会は、ハリウッドの業界関係者へもその取り締まりの矛先を向けます。業界関係者が身の安全のために次々と議会で身の潔白の証言をする中、「ハリウッド・テン」と呼ばれる10名の人物は、仲間の密告を強要される中、基本的人権を訴え、議会への出席を拒否しました。共産主義に対する取り締まりに抵抗した映画界の人物は、結果としてハリウッドから締め出されることになります。トランボが牢屋に投獄されるシーンは、見ていて辛かったです。政治的な思想のために、ここまでの仕打ちを受けなければいけないのか、と不条理な気持ちを抱きました。
 仕事を失いながらも、自らの信念に従ったトランボは、家族のために、偽名を使いながらB級映画などの脚本を秘密裏に手がけます。その過程が、本当にリアルでとても良くできた映画でした。

長い物に巻かれない、トランボの反逆精神がとても魅力的です!

f:id:mozzarellatan:20170317214111p:plain
 普段、私たちが暮らしていると、長いものに巻かれて生活してしまいがちです。例えば、上司の言いなりになったり、政治的な考えを述べる場面で、周りに合わせた無難な意見を言ったりしてしまいませんか?日本人である限り、なかなか’村’の意見からはみ出したことを言うのは気が引けてしまうのも事実です。日本人は農耕民族なので、’出る杭’は打たれがちですものね・・・汗。
 ですが、トランボは、決して長いものに巻かれずに、相手が国家という巨大な権力でありながらも、一人の個人として、しかも家族を守りながら相手に立ち向かっていきます。トランボの、強いものに毅然と立ち向かっていく姿が投影された映画作品が『黒い牡牛』という作品です。(昨年の東京国際映画祭で限定上映され、話題となりました。この作品はDVDにはなっていないので、有料放送などで放映されるのを待つしか見る手はなさそうですが・・・)『黒い牡牛』の脚本を書いた当時のトランボは、まさに赤狩りで表舞台から姿を消している時でした。ですが、当時のアカデミー賞でこの『黒い牡牛』はアカデミー原案賞を受賞しました。1956年の作品です。トランボは、偽名のロバート・リッチという名前でこの作品の脚本を書きました。アカデミー賞でその名前が呼ばれる瞬間、トランボは、自宅の居間で家族とテレビで見ていたそうで、その様子が映画の中にも出てきます。『黒い牡牛』については、強いものに立ち向かう少年が主人公ですが、トランボが主人公の少年そのものなのだと思いました。国家に立ち向かうなんて、よほどの強い精神力と信念がなければできないことだと思うからです。とにかく、『ローマの休日』のような男女の心の機微を描いたファンタジー作品を書いた人物が、政府と真っ向から戦うなんて、人として魅力的だよなー唸ってしまいます。

自らが正しいと信じたことのためにここまで頑張れるだろうか・・・

f:id:mozzarellatan:20170317214123p:plain
 脚本家として成功をおさめ始めていたトランボにとって、仕事が干されることと、自らの信念を貫くことと、どちらを取るかは人生をかけた大きな選択だったはずです。ましてや、家族がいる彼にとって、仕事の安泰を望むのが普通の感覚なのではないでしょうか。それでも政治的信念を曲げない彼を見ていると、何のために人間は生きているのか、と哲学的な問いに立ち返らされてしまいます。
 『ローマの休日』などの人気作品の脚本家として平和で安泰な人生が約束されていたはずの彼が、そこまでして社会的な正義に突き進んだことを考えると、トランボ自身、そうせざるを得ない性分だったのではと思わされます。共産主義は、第二次世界大戦前の頃にはリベラルな若者たちの間で人気があった思想だそうです。一度、正しいと信じた信念を純粋に貫く姿勢そのものが、彼の唯一無二の作品を生み出す原動力だったのかもしれないな、と思ってしまいます。

まとめ

 こういったトランボのように骨のある人物に憧れますが、自分はなかなかそうはなれませんが、彼の生き様を知ることでたくさんのことを考えさせられました。映画好きの皆さんにも、そうでない人にも、おすすめします。

[スポンサーリンク]



ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

人気ブログランキング