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おすすめ洋画『キッズ・オールライト』性的マイノリティ(LGBT)の家族を描いた珠玉のストーリー


今、話題のLGBTへの差別意識を超えた先にある、家族の普遍的な問題


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 今回は、2010年のアメリカ映画『キッズ・オールライト』を紹介します。原題は、『The Kids Are All Right』で、日本語に直訳すると、子供たちは大丈夫!という意味になります。


この作品は、とあるレズビアンカップルが精子バンクを使って二人子供を産み育て、そして成長した子供が家を出る前に精子ドナーに連絡を取ってしまったことで起こるドタバタを描いています。両親がレズビアンであることを除けば、とても普通の家族の様でした!そこが、かえって性的マイノリティの人々への偏見のないアメリカ社会らしいなと思ってしまいます。


まだ日本では同性婚カップルが堂々としているのも難しい世の中ですので、そのギャップにも驚きます。


 映画の監督は、女性のリサ・チョロデンコ監督で、自身もレズビアンであることをカミングアウトしているようです。そして、本当に精子バンクから提供を受けて、自分の子供を出産しているそうです!ですので、監督自身の生々しい実感がこもった映画ということになります!人物描写がとても丁寧で、こういう人いるよなーとか、こういう家族って本当にあるよなーと観客にもその本物感が伝わってきます。


また、共同で脚本を書いたスチュワート・ブルームバーグ氏も、精子バンクのドナーになった経験があるそうです。ですので、取材をして誰か他人の話を書いたのではなく、自分たちの経験した本物の体験を書いている点がリアルで、とても面白くなっています。


 ただし、性的なシーンも多いので、子供と見たい方はやめておいたほうがいいかもしれませんね・・・。



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日本で果たしてレズビアンカップルが子供を持って堂々と生きていける時代は来るのか・・・


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 この作品では、レズビアンカップルと、精子バンクに提供したドナーの男性とのやりとりが見所です。子供達も本当の父親に初めて会い、その優しさや母親たちにはない自由奔放な魅力に引き込まれていきます。


レズビアンカップルといえど、父親的な役割の方と、母親的な役割を果たす方が自然と決まっていて、それがうまく機能していたのに、ドナーの出現によってそれが壊れていきます。それが、新しい家族の形態が誕生するかも?!と見ている側は、期待を持って見てしまいます。ですが、最後、それがどうなるかは見てのお楽しみということで!


 とても自然で、人生を楽しもうとする素敵な家族なのですが、一点だけ両親がレズビアンという点のみが特殊です。性的嗜好の問題だけであって、道徳的、倫理的に何も問題ない家族だと思います。むしろ、父親的な役割の女性が子供たちに接する態度は、昭和のオヤジのように厳しいです。


異性同士のカップルよりも、意識的にその辺はしつけに対して気を使っているのかもしれません。こういったリアルな姿を見せられると、同性婚もありじゃないか、と観客は思えてくると思います。長女は成績優秀で、美しく、長男も優しい男の子に育っています。日本では、なかなか偏見が強くて同性婚やその子供たちは白昼堂々と歩けないのではないでしょうか。(堂々としている人がたくさんいたら、自分が無知なだけです。すいません・・・)


 ですが、アメリカ社会のように、もっと偏見をなくして同性同士の結婚や家庭を持つことを社会が許してもいいのではないかと思えてきます。江戸時代の日本も性的にはかなりフリーダムだったというお話をあちらこちらで聞きますしね・・・。


この映画では、社会の差別の問題を扱うのではなく、もっと個人的なことにテーマを落とし込んでいます。つまり、精子ドナーと子供達の関係や、ドナーと提供を受けた側との関係です。とても複雑な人間関係ですが、これからの時代は、こういった問題も増えてくるかもしれません。監督自身が体験したことなので、とても迫真の内容だと思います。そういったことに興味を持つ人は、必見だと思います。

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母親役のアネット・ベニングが、本作でゴールデングローブ賞の主演女優賞を受賞

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 アネット・ベニングが、レズビアンカップルのどちらかというと父親役の役回りの女性を演じています。この演技が、昭和のがんこ親父のようで、女性なのに、一家を背負って立つ責任感と重責とモラル感とで、とても上手いです。ゴールデングローブ賞の主演女優賞のみならず、ニューヨーク映画批評家協会賞の主演女優賞を受賞しています。


 また、精子ドナーで父親役のマーク・ラファロアカデミー賞助演男優賞にノミネートされました。母親っぽい役回りのジュリアン・ムーアの女性らしい役も注目です。(劇中、中年レズビアンなどと自分を蔑む発言や、性的な演技もありました・・・)


まとめ


 なかなか性的マイノリティの人々への偏見が世界的に見ても強いのが現状だと思います。ですが、当事者であるリサ・チョロデンコ監督のような人が、こういった嘘のない本物の感情を露わにするような映画を発表することで、人々の偏見も徐々になくなっていくのかなと思います。一口にLGBTといっても、様々な状況や心境を抱えて人々がいるということが少しでも理解できました。おすすめ洋画です。

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