『フォックスキャッチャー』スポーツと殺人事件の意外な取り合わせ


本作で、ベネット・ミラー監督が、カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞!


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 今回は、レスリング選手と大金持ちとの間で起こる悲劇を描いた『フォックスキャッチャー』をご紹介します。これは、1996年に実際に起きた殺害事件を元に作られた映画です。監督のベネット・ミラーが、カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞したことでも話題になりました。また、俳優陣の演技も素晴らしくて、一見の価値アリの映画です。


 あらすじを簡単に紹介すると、アメリカでは超有名なデュポン財閥の御曹司であるジョン・デュポンが、彼がスポンサーとして資金を提供していた元レスリングアメリカ代表選手で金メダリストのマーク・シュルツとデイヴ・シュルツ兄弟との間で徐々に変化していく関係を不気味なトーンで描いています。


 とにかく始まりから終わりまでとにかく不気味な映画です!何かが起こりそうでなかなか起きない緊張感が最初から最後まで続きます。(最後にはついに起きてしまうのですが・・・)なので、そういった類の怖い映画が苦手な方にはあまりオススメしません。


 ですが、カンヌで監督賞を受賞するのみならず、主な3人の俳優の演技が素晴らしく、様々な映画祭でノミネートや受賞に至っています。そういった意味で、一見の価値はあります。おすすめ洋画です。




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レスリング選手の生活苦に迫り来る金持ちの誘惑とは・・・


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 金持ちの男を演じるスティーヴ・カレルの名演が恐ろしくて、本当に凄まじいです。この映画では、鼻を高くする特殊メイクを施しており、スティーヴ・カレルの元の顔はよくわかりません(笑)。


これは、実在の事件を扱うにあたって、犯人のジョン・デュポン本人の顔そっくりにするためだそうです。実際、ジョン・デュポン本人は、獄中ですでに死亡してしまったそうですが、役作りの上で、おそらくドッペルゲンガー並みに顔を似せてきているのだと思います。


このスティーヴ・カレル演じるデュポンが、本当に寂しそうで、孤独な目つきをしています。俳優さんではなくて、デュポン本人なのではないかと思えるほど、怖い人物をうまく演じています。


 このデュポンと、元金メダリストの弟のマーク・シュルツが夜中にレスリングの技を掛け合うシーンがあり、物議を醸しました。観客にとっては、何か「???」と頭にクエスチョンマークがたくさん浮かぶシーンでした。もしかすると、同性愛的な含みがあるのか?と思ってしまう観客も多かったと思います。


ですが、現在も生存しているマーク・シュルツ本人によって、そういった事実はなかったと否定されているそうです。このマーク本人によって「これは事実と異なる!」という訴えがいくつかなされているという事実は頭に置いておいたほうがいいのかもしれません。


つまり、フィクション化するにあたって、時系列や、実際の出来事を少し脚色し、物語をエンターテイメントに持っていく仕掛けが監督によってなされたということでしょう。私たち外部の人間には、なかなかこれは事実と違うのか、それともその通りなのかということはわかりにくいです。


ですが、とにかくデュポン氏が恐ろしいということは間違いなさそうです・・・。会ったことがないので、なんとも言えませんが・・・。(他のスポーツ選手でデュポン氏の経済的支援を受けていた人物によると、彼はそんなに悪い人間ではないというコメントもいくつかあるそうですので・・・。ただ、この映画を見ると、そうは思えなくなってしまいますが。)


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母親との確執や、孤独な幼少期を抱えたまま大人になった大富豪の末路


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 大富豪のデュポンは、幼い頃から本当の友達もおらず、すでに託された莫大な資産を手にして孤独な人生を送ってきます。お金を出せば、何でも解決できる人生でした。ですが、幸せな家庭生活や平凡な幸せを得ることは彼には難しかったようです。また、彼は統合失調症も患っていたようですが、莫大な富に隠れてその事実が適切に処置されていなかったことも事件に繋がってしまいます。


 幼少期からの満たされなかったレスリングへの思いを、二人の金メダリストを自らの大きな土地の中に住まわせて囲い込むことで満たそうとします。ですが、男3人の嫉妬と野心と親しさが徐々に狂気に変わっていきます。その過程を丁寧に映画では描いています。最初から最後まで緊張の糸が切れない感じで、正直、鑑賞後はぐったりと疲れてしまいました・・・。


 金メダリストの兄の方を演じたマーク・ラファロアカデミー賞助演男優賞にノミネート、主演のスティーヴ・カレルが同じく主演男優賞にノミネートされています。役者3人の本気を見せられた感じがします。特にお兄さん役のマーク・ラファロは、実際の姿とは大きくかけ離れており、相当にトレーニングを積んで、この役を作り上げたことが伺えます。それくらいしないと、本物のレスリング選手に見えないからでしょう。


まとめ


 正直、後味のいい映画ではありません。ですが、実際の事件を元にしていることや、普段あまり触れることのないアメリカの大富豪の生活ぶりを垣間見れて、「大金持ちも孤独で不幸だ」と知る機会になりました。おすすめ洋画です。
www.momochakei.com

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